内視鏡的胃瘻造設術(PEG)
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PEG/胃瘻
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  ■ 人工胃液を用いた寒天固形化栄養の胃内物性の特徴 ■
 
 【このペ−ジでは】
寒天を用いた固形化栄養と,粘度増強による半固形栄養の
胃内における物性の比較
してみます.
 
【使用機材】
 ■ パドル式溶出試験機 (Toyama,NTR-VS3)
 ■ 金属メッシュふるい器 (目開き250μm)
 ■ シリコンチューブ (長さ30cm,内径5mm)

【使用した試料】
 ■ 寒天固形化栄養
    → 市販されている,寒天により固形化栄養の定義を満たした製品
 ■ 粘度増強による半固形栄養
    → 市販されている,20,000mPa・sの物性をもつ製品
 ■ 人工胃液
日本薬局方 溶出試験法に記載の第1液を使用.
塩化ナトリウム2.0gを塩酸7.0ml及び水に溶かして1000mlとする.
この液は無色澄明で,そのpHは約1.2.

【実験方法】
@ パドル式溶出試験機の試験容器に,人工胃液を500ml加え37±1℃に保持
A サンプル試料100gを,容器に接続したシリコンチューブを通し,人工胃液中に添加
B パドルを100rpmの速度で回転
C 開始から10分後に回転を停止
D 金属メッシュのふるいに通し,人工胃液から残渣を回収
E 残渣の湿潤重量を測定
F 残存率を算出
  ※ 残存率は投入したサンプル量に対する残渣の比率(%)から算出
※ 試験は繰り返し3回実施
  
 【 結 果 】
試 料 寒天による
固形化栄養製品
粘度増強による
半固形化製品
動 画
撹 拌 前 人工胃液内の寒天固形栄養
寒天は離水するので,人工胃液が混濁します.
人工胃液内の半固形栄養
粘度が高く離水のもないので,人工胃液の混濁はありません.
撹 拌 後 寒天固形化栄養は人工胃液で溶解せず.
撹拌後も半固形物が残留し,沈殿しています.
半固形栄養は人工胃液で完全溶解
撹拌で溶解してしまい,人工胃液に溶け込んでしまいました.
ふるいの残渣 寒天固形化栄養の胃内残渣
寒天繊維がしっかりとと残留しています.
粘度増強剤の胃内残渣
メッシュに幕様物が付着するのみで,ほとんど流れてしまいました.
残渣率 (%) 78 ± 8 10 ± 3
 
 【 結 論 】
 半固形栄養は,その組成によって胃内環境における物性の変化に,差違が出てくる可能性がある.
 

【関連項目】
→ 寒天固形化と粘度増強半固形のカテーテル通過性の差違